Shoji Collection

2020~

このコレクションは、日本の障子に強くインスピレーションを受けています。私たちは、障子の軽やかで繊細な構造に昔から魅了されており、その美しさや機能性を自分たちの作品に取り入れたいと考えてきました。調査を進める中で、障子には多様なデザインやスタイルが存在することを知り、伝統的な技術を用いながらも、自分たちの感性を反映させたオリジナルの障子シリーズを制作し、文化の融合を図ろうと決めました。

素材には無垢の杉材や桜材を選び、和紙と組み合わせています。これらの素材は日本の伝統工芸に欠かせないものであり、自然の温かみや質感を大切にしています。サイズはさまざまに展開し、用途や設置場所に合わせて多様な空間に調和するよう工夫しました。細部に至るまで、ほぞ組みや伸ばし込みといった日本の伝統的な仕口技術を用いて丁寧に仕上げています。背面の和紙は、でんぷん糊で貼り付けることで強度を増し、また透ける光をやわらかく拡散させる効果も生み出しています。

私たちはこのシリーズについて、木材のデザインやパターン、そして障子紙の種類によってさまざまな応用ができるため、デザイン性に可能性を感じています。

写真:James Harris

リオ コバヤシ(デザイナー・作家)

リオ コバヤシ(デザイナー・作家)

イギリスを拠点に活動するデザイナー兼作家。陶芸家と修復家の両親のもと、日本とヨーロッパの文化が入り混じる家庭に育ち、コンセプチュアルな探究心とクラフトマンシップへの深いこだわりを融合させた作品を手がけている。栃木県で生まれ、幼少期に初めて家具を制作。18歳でオーストリアに渡り、3年間の家具職人修行を通じて、多文化的な視点と確かな技術を培った。

その後、ベルリン、ミラノ、東京、パリなどでのコラボレーションを重ね、2017年にイースト・ロンドンに自身の工房を設立。素材、物語性、フォルムの対話を軸に制作を続けている。これまでにロンドン・デザイン・フェスティバル、ミラノ・デザインウィーク、デザイン・マイアミをはじめ、さまざまなギャラリーで作品を発表。『フィナンシャル・タイムズ』『ウォールペーパー』『ワールド・オブ・インテリア』『フォーブス』などのメディアにも取り上げられている。

http://riokobayashi.com/

2025/5/30 12:00