Play 01/Play 02/Factory Amp

2023

オーストリアの高級オーディオブランド「Wiener Lautsprecher Manufaktur」とのコラボレーションにより、音楽の繊細なニュアンスを視覚的に表現するスピーカー「Play 01」と「Play 02」が誕生しました。これらのスピーカーは、音楽における多層的なリズムや楽器の重なりを、精緻な寄木細工のパターンとリズミカルな色彩の重ね塗りによってデザインに落とし込んでいます。すべての部品は、ウィーンにある専用の開発・生産施設で厳選された高品質なパーツと共に丁寧に組み立てられています。

デザイナー自身が音楽を深く愛し、音楽と関わる仕事をしたいという強い願いから、これまでにあまり目にしない高音質かつ高級なサウンドシステムを作り上げることを目指しました。そのため、音が出る寸前のプロセスに至るまで、音とデザインの融合を追求し、自由な発想で形にしています。結果として、単なる音響機器に留まらず、視覚的にも音楽の複雑さと美しさを体現する作品が完成しました。

さらに、これらのスピーカーの音を忠実に再現し、その全体を指揮する役割を持つアンプ「Factory」も製作。まるでデザインの「工場」がアイデアを具体的な形に変えるように、このアンプはスピーカーの音響を支え、全体の音のバランスを整えています。

このプロジェクトは、音楽の世界とデザインの世界をつなぐ架け橋として、技術と芸術の融合を追求した意欲的な挑戦となりました。

写真:Rio Kobayashi Studio

リオ コバヤシ(デザイナー・作家)

リオ コバヤシ(デザイナー・作家)

イギリスを拠点に活動するデザイナー兼作家。陶芸家と修復家の両親のもと、日本とヨーロッパの文化が入り混じる家庭に育ち、コンセプチュアルな探究心とクラフトマンシップへの深いこだわりを融合させた作品を手がけている。栃木県で生まれ、幼少期に初めて家具を制作。18歳でオーストリアに渡り、3年間の家具職人修行を通じて、多文化的な視点と確かな技術を培った。

その後、ベルリン、ミラノ、東京、パリなどでのコラボレーションを重ね、2017年にイースト・ロンドンに自身の工房を設立。素材、物語性、フォルムの対話を軸に制作を続けている。これまでにロンドン・デザイン・フェスティバル、ミラノ・デザインウィーク、デザイン・マイアミをはじめ、さまざまなギャラリーで作品を発表。『フィナンシャル・タイムズ』『ウォールペーパー』『ワールド・オブ・インテリア』『フォーブス』などのメディアにも取り上げられている。

http://riokobayashi.com/

2025/5/30 12:00