Furikake Lantern

2023

「ふりかけランタン」は、おもにさくらの木と障子紙を組み合わせて制作されたモジュラー式の照明で、吊り下げタイプと壁掛けタイプの両方で設置が可能です。この作品は、スイス出身のプロダクトデザイナー、Flavia Braendle(フラビア・ブレンドル)とのコラボレーションによって生まれました。二人は日本の伝統的な鋸を用いて、木材に正確な切り込みを入れることで曲げ加工を可能にする技術を探求し、それを作品制作に活かしています。

ブレンドルのモジュール性やシステムへの強い関心をもとに、多様な組み合わせや取り付け方向を試みることで、照明に動的で変化に富んだ表情を与えています。これにより、複雑な構造を持つモジュラー製品ながらも、全体としては洗練された穏やかな印象を放つデザインに仕上がりました。

また、作品の名前やデザインには、日本の食文化からの着想が込められています。純粋な白いご飯に色鮮やかなふりかけをかけることで味わいが豊かになるように、このランタンも障子紙に散りばめられたカラフルなフレーク模様によって、視覚的な華やかさと温かみを持たせています。

写真:Rio Kobayashi Studio

リオ コバヤシ(デザイナー・作家)

リオ コバヤシ(デザイナー・作家)

イギリスを拠点に活動するデザイナー兼作家。陶芸家と修復家の両親のもと、日本とヨーロッパの文化が入り混じる家庭に育ち、コンセプチュアルな探究心とクラフトマンシップへの深いこだわりを融合させた作品を手がけている。栃木県で生まれ、幼少期に初めて家具を制作。18歳でオーストリアに渡り、3年間の家具職人修行を通じて、多文化的な視点と確かな技術を培った。

その後、ベルリン、ミラノ、東京、パリなどでのコラボレーションを重ね、2017年にイースト・ロンドンに自身の工房を設立。素材、物語性、フォルムの対話を軸に制作を続けている。これまでにロンドン・デザイン・フェスティバル、ミラノ・デザインウィーク、デザイン・マイアミをはじめ、さまざまなギャラリーで作品を発表。『フィナンシャル・タイムズ』『ウォールペーパー』『ワールド・オブ・インテリア』『フォーブス』などのメディアにも取り上げられている。

http://riokobayashi.com/

2025/5/30 12:00