三井不動産が新たにスタートさせたホテルブランド「sequence」の旗艦店、sequence MIYASHITA PARK最上階にオープンしたラウンジ&バー「SOAK」。
渋谷にも再開発の波が押し寄せ、街並みだけでなく、文化にも大きな構造的、質的な地殻変動を起きつつあります。その一つの象徴として、新しい動線を形成するMIYASHITA PARKの端点にホテルが建設されました。明治神宮の杜越しの新宿の高層ビル街や、代々木の屋内競技場や新国立競技場と、新旧の東京を一望できる最上階からの景観は昼夜を問わず圧巻のスぺクタルであり、これを楽しみながらお酒を飲めるというスペシャルかつ親密な場としての演出が、都市にあふれ出るデザインを目指しました。
「SOAK(浸す)」という名前の通り、テーマは水です。さまざまなドリンクとしての水でもあり、スパとしての水でもあり、煌びやかにうごめく夜の街を象徴するきらきらとしたイメージとしてのカラフルな水でもあります。そのような流体をイメージして、天井にはメタボールと呼ばれる複合曲面のミラーボールを複数配置しました。
特に室内では、あえて少しバブリーなミラーボール全盛時代のクラブ感を前面に押し出しています。一方、スパのある屋外は可能な限りシンプルなデザインとして、主役である景観と、それに対する異物としてのシンボルとなる、吉田朗氏によるアート作品をあたかも温泉の吐水龍のように設置して、現代の東京らしさの演出としています。
素材・スタイルも一つの型に落とし込まず、昼間は静かに風を楽しんだり、夜はギラギラのパーティーを開催したり、渋谷ならではの多様性や多層性を受け入れるような、場所ごとやシーンごとに異なる楽しみ方ができるようなラウンジとなりました。
施工:スペース
写真:Nacása & Partners Inc.