SHIBUYA CAST.

2017 / 渋谷宮下町リアルティ株式会社(東急株式会社、大成建設株式会社、サッポロ不動産開発株式 会社、東急建設株式会社)

2017年に渋谷に開館した、複合施設のファサードとランドスケープのデザイン・監修を担当しました。

施設前面に設けられた1000m2の面積を持つ広場と、地形に沿って建物を貫通する通路は、街を行き交う人の流れを誘導するとともに、新たな用途と可能性を空間として街に還元します。広場には円形が集まってできた形の植栽緑地を複数配置し、「ひだ」や「たまり」をもたせることで自然と人が集い、さまざまな居場所が見つかる構成としました。和洋混在させた植物は四季や成長によって表情を変えます。

ファサードデザインは、施設のコンセプトや街の特殊性を汲み、風がぶつかってざわめく梢や捕食者に遭遇して突然向きを変える魚群といった、自然界の中での「群」としての動きに着眼しました。施設高層部はリブ状のコンクリートファサードによって動きをもたせています。広場に面した中央部は、設備バルコニーが配置されていました。通常ネガティブな要素をポジティブなキャラクターとして扱うために素材や構成、熱環境的な解析を重ね、縦型の無数かつ多方向のフィンで覆う構成としました。光の反射により時間帯や季節、天気、また人の動きに応じて「パッシブ・ダイナミック」に変化していきます。

設計・監理:日本設計・大成建設一級建築士事務所共同企業体
写真:川澄・小林研二写真事務所

noiz(建築・デザイン事務所)

noiz(建築・デザイン事務所)

2007年に豊田啓介(左)と蔡佳萱(中央)のパートナーシップとして設立。 2016年より酒井康介(右)を加えた3名パートナー体制で、東京、台北、ワルシャワ(ヨーロッパ)からコンピューテーショナルな手法を駆使し、建築を軸にインスタレーションから都市まで幅広いジャンルで国際的に活動する建築・デザイン事務所。最新のデジタル技術を駆使した各種デザインや製作、システムの実装から教育、各種リサーチ&コンサルティング活動も積極的に展開している。

https://noizarchitects.com/

2020/12/9 12:35