落合陽一氏が総合監修・アートディレクションを行った、日本科学未来館の新しい常設展示「計算機と自然、計算機の自然」の空間デザイン。
本展は、コンピューターや人工知能が高度に発達した未来において、人間の自然観や世界観がどのように変わるかを問う展示です。10m×13mの平面上にランダム配置された無数のステンレス三角柱の林の中に、2枚の水平プレートによって切り取られた展示スペース群が離散的に浮遊するという構成となっています。ステンレスの三角柱が繊細に周囲の光やほかの鑑賞者の様子を乱反射することで、虚実が混在する視覚体験を意図的に創出しています。動くごとにその風景は変化しつづけ、物質と身体、情報の境界を改めて鑑賞者に問いかけます。
対の鏡面の間に挿入された展示物は、あたかもコンデンサーで蓄えられたエネルギーのような重力とは異なる不思議な平衡・浮遊感で、展示空間の中に浮かび上がります。ここでは属性やメディウムの異なるさまざまな展示物群を、ありのままに一つの不均質なエネルギー場として見せることを意図しました。また同時に、今後10年を予定している長期の展示期間の中で、コンテンツのアップデートにも対応できる新しい「ニュートラル」さを追求しています。(2019年11月14日より公開中)
総合監修・アートディレクション:落合陽一
企画制作:日本科学未来館
展示物・映像設計制作:株式会社TASKO、株式会社つむら工芸、株式会社ホーダウン
空間実施設計施工:株式会社つむら工芸
写真:1~2枚目/日本科学未来館、3~8枚目/高木康広
日本科学未来館 HP:https://www.miraikan.jst.go.jp/exhibitions/future/digitallynatural/
Movie by 高木康広