石切りの家

2013 / 個人住宅

山の中腹に位置する個人住宅。山の地形や木々の色付きなどを計画に取り込むことで、敷地全体を多様な居場所の集合体に変換した。

地形や眺望、屋外空間と応答した立体構成、太陽や季節よって表情と色彩を変化させるコンクリート仕上げによって、その外観は生駒山に擬態する風景のような佇まいを持つ。内部空間は、広さや眺望、光、色付き、温熱環境の異なる、多様で豊かな居場所の集合体として現れ、住まい手は、状況に応じて最適な場所を積極的に選択し、豊かな時間を過ごすことができる。

多様な居場所群を計画し、生活者に最適な選択肢を提供することは建築の重要な役割だと考えている。それは、多様な価値観や時間の変化を許容し、持続的な価値持つ、建築のあり方ともいえる。

菅原大輔(建築家)

菅原大輔(建築家)

1977年東京都生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。シーラカンス・アンド・アソシエイツ、Jakob+Macfarlane、Shigeru Ban architect Europeを経て、2008年にSUGAWARADAISUKEを設立。地域計画や建築、商業空間やブランディングだけでなく、展覧会の企画や被災地支援活動まで、建築的思考を背景に多岐にわたるデザインを手がける。分野を横断してモノ・コトを扱い、場所と時間の価値を編集することで、新しい時代に求められる「物語る風景」のデザインを目指している。日本建築学会作品選集新人賞、DFA Award 銀賞・銅賞、中部建築賞、JCDデザインアワード2年連続銀賞、キッズデザイン賞など、国内外の受賞歴多数。現在、早稲田大学、日本大学、東洋大学非常勤講師。

SUGAWARADAISUKE
http://sugawaradaisuke.com/

2016/12/7 10:20