切通しの家

2011 / 個人住宅

郊外に建つ夫婦とこども2人のための戸建住宅。自然の光と風に包まれながら、眼前に開ける風景と繋がる住宅を目指した。

敷地は新興住宅地と田園風景に挟まれた、人工と自然の境界線上にある。施主の要望は、眼前に開ける風景と繋がって暮らすことだった。外形は、敷地や前面道路、構造になじむよう、単純な箱形とした。内部では、家族が集う大空間を中心とし、室内と収納が最大となるように細胞膜の立体的な領域取りによって壁面配置を行った。

居場所によって風景-空間-身体の関係が劇的に変化するここでの空間体験は、自然と人工が融合した切り通しのようでもある。

(photo:太田拓実)

菅原大輔(建築家)

菅原大輔(建築家)

1977年東京都生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。シーラカンス・アンド・アソシエイツ、Jakob+Macfarlane、Shigeru Ban architect Europeを経て、2008年にSUGAWARADAISUKEを設立。地域計画や建築、商業空間やブランディングだけでなく、展覧会の企画や被災地支援活動まで、建築的思考を背景に多岐にわたるデザインを手がける。分野を横断してモノ・コトを扱い、場所と時間の価値を編集することで、新しい時代に求められる「物語る風景」のデザインを目指している。日本建築学会作品選集新人賞、DFA Award 銀賞・銅賞、中部建築賞、JCDデザインアワード2年連続銀賞、キッズデザイン賞など、国内外の受賞歴多数。現在、早稲田大学、日本大学、東洋大学非常勤講師。

SUGAWARADAISUKE
http://sugawaradaisuke.com/

2016/12/7 10:20