SIZE

2013

テーマは「SIZE」。ダイヤルを回すと大きさやフィット感が調整できでる「サイズを持たない服」を発表した。
ショーの前半では、「サイズ」を問う。全く同じアイテムの縮尺を変え、コーディネートで変化をつけたり、違う縮尺同士の同じアイテムをレイヤードしたり。通常アウターと考えられているモッズやダッフルコートを小さくしてインナーに、ブラウスなどトップスを大きくしてアウターに、という具合にインナーアウターを逆転させた。
シーンが変わり、3体の同じ黒いドレスを着た身長の異なるモデルが登場したと思うと、みるみるドレスが縮みそれぞれの体に沿いはじめる。肩やウエストにドレープが寄り、全く違う、身体にフィットするミニワンピースに姿を変えた。この仕掛けは、内側に仕掛けられた糸が伸縮するダイヤル調節機能にある。ショーではモーターでダイヤルを回しているが、商品では手動でダイヤルを回す仕組み。ダイヤルを回すと張り巡らされた糸が巻き取られ、シルエットは「縮んで」いく。通常のサイズの概念にとらわれずに、購入者は、自分の身体に沿ったシルエットを作り出すことができる。同じ服でもSMLなどのサイズによって着る人を限定することに対して、サイズの壁を超えて、その人が着たい形に調整可能な「着る人に委ねる服」を目指した。表記は「ノーサイズ」。

森永邦彦(デザイナー)

森永邦彦(デザイナー)

1980年、東京都生まれ。早稲田大学、バンタンデザイン研究所卒業。ブランド名「アンリアレイジ」はA REAL(日常)、UN REAL(非日常)、AGE(時代)、を組み合わせた造語。2003年から活動を開始。「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服が特徴。2005年、ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART 2005」でアバンギャルド大賞を受賞。 2006年より東京コレクションに参加。2011年、第29回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。2012年、個展「アンリアレイジ展 A REAL UN REAL AGE」(パルコミュージアム・東京)を開催。2013年、「フィロソフィカル・ファッション2 : A COLOR UN COLOR」(金沢21世紀美術館・石川)を開催。
アンリアレイジ 公式サイト:http://www.anrealage.com/

2014/1/8 0:00