○△□

2008

テーマは「○△□(まるさんかくしかく)」。
球体、三角錐、立方体、という身体とは異なる立体の服を発表した。
直径60センチの球体、一辺75センチの三角錐、一辺45センチの立方体を原型として用い服を製作した。これらの立体と服がぴったりと張り付いた状態の○△□のオブジェクトを天井から吊るし、マネキンに着せた状態と並べて展示を行った。立体の角にあわせてボタンも直角に変形させたり、三角錐の形にあわせて肘を変形させるなどしている。これらの衣服は、立体から剥がし、人が着用することで新たなフォルムへと変貌する。球体型のシャツは、前立てが歪み背中にドレープが寄り、立方体型のトレンチコートは、ケープジャケットのようなシルエットを描く。まず身体という原型があり、身体に沿わせることを前提としてきた服を、身体から引き剥がし全く異形の造形にすることで、原型自体の問い直しを行った。

森永邦彦(デザイナー)

森永邦彦(デザイナー)

1980年、東京都生まれ。早稲田大学、バンタンデザイン研究所卒業。ブランド名「アンリアレイジ」はA REAL(日常)、UN REAL(非日常)、AGE(時代)、を組み合わせた造語。2003年から活動を開始。「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服が特徴。2005年、ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART 2005」でアバンギャルド大賞を受賞。 2006年より東京コレクションに参加。2011年、第29回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。2012年、個展「アンリアレイジ展 A REAL UN REAL AGE」(パルコミュージアム・東京)を開催。2013年、「フィロソフィカル・ファッション2 : A COLOR UN COLOR」(金沢21世紀美術館・石川)を開催。
アンリアレイジ 公式サイト:http://www.anrealage.com/

2014/1/8 0:00