LOW

2011

テーマは低解像度を示す「LOW」。
解像度によるかたちの変化に着目し、二次元の世界から三次元に形を変えた服を発表した。
服の形や柄は、解像度を下げ、粗くすることでピクセル化され、モザイク状に変換される。より見えやすく、より分かりやすくという時代の中で見落とされてきた「低解像度の美」を追求した。曲線や斜線が一切排除されたデジタルな輪郭を構築するために、一方ではレーザー裁断、ウェルダー熱融着、シームレス縫製などのテクノロジーを用いて、また一方では手作業で1.5センチ四方の布をパッチワークし、花柄や迷彩を表現するなど、手作業とハイテク技術を融合し製品を仕立てた。近くで見ると低解像度の色の塊が遠くから見ると花柄に見えてくるように、かたちはそのかたちであり続ける。たとえかたちが変わろうとも、かたちはかたちであることをやめない、という希望を込めた。

森永邦彦(デザイナー)

森永邦彦(デザイナー)

1980年、東京都生まれ。早稲田大学、バンタンデザイン研究所卒業。ブランド名「アンリアレイジ」はA REAL(日常)、UN REAL(非日常)、AGE(時代)、を組み合わせた造語。2003年から活動を開始。「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服が特徴。2005年、ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART 2005」でアバンギャルド大賞を受賞。 2006年より東京コレクションに参加。2011年、第29回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。2012年、個展「アンリアレイジ展 A REAL UN REAL AGE」(パルコミュージアム・東京)を開催。2013年、「フィロソフィカル・ファッション2 : A COLOR UN COLOR」(金沢21世紀美術館・石川)を開催。
アンリアレイジ 公式サイト:http://www.anrealage.com/

2014/1/8 0:00