BONE

2012

テーマは骨格を示す「BONE」。
日常の中では覆われて見えてこない骨格に着目し、実際に存在しない“服の骨”を発表した。
骨のない洋服に骨があると仮定した上で、洋服の中に埋もれている骨格を表面上に露わにした。真っ暗なランウェイにクリノリン等を形成するボーンでつくられた骨組みだけのドレスをブラックライトでレントゲンのように白く浮き上がらせショーを開始した。骨組みの服の下には、骨格が抜けて皮がしぼんだ状態を表現したワンピースを着用させている。ショーが進むにつれ骨へのアプローチは、フォルムから服そのものへ。レーザーカットにより面である“肉”を取り去り、必要最低限の構造線で服をつくりあげた。ラストルックは骨組建築である東京タワーをモチーフにした服。規則的に極限まで穴を開けることで、形を支える祖型そのものの“骨”を浮き立たせた。

森永邦彦(デザイナー)

森永邦彦(デザイナー)

1980年、東京都生まれ。早稲田大学、バンタンデザイン研究所卒業。ブランド名「アンリアレイジ」はA REAL(日常)、UN REAL(非日常)、AGE(時代)、を組み合わせた造語。2003年から活動を開始。「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服が特徴。2005年、ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART 2005」でアバンギャルド大賞を受賞。 2006年より東京コレクションに参加。2011年、第29回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。2012年、個展「アンリアレイジ展 A REAL UN REAL AGE」(パルコミュージアム・東京)を開催。2013年、「フィロソフィカル・ファッション2 : A COLOR UN COLOR」(金沢21世紀美術館・石川)を開催。
アンリアレイジ 公式サイト:http://www.anrealage.com/

2014/1/8 0:00