OM TERRACE

2017 / さいたま市

さいたま市の大宮駅前に建つ、小さな公共施設である。既存の公衆トイレと自転車の貸出を行うコミュニティ・サイクル・ポートに加え、オリンピック・パラリンピックなどの国際大会の開催に備えこのエリアの「おもてなし機能を高める」ことを求められた。6回のパブリックミーティングによる地元関係者との対話を経て、ここでは利活用のための屋上広場を備えることとなった。

小さな建築ではあるが、敷地内で完結するのではなく通り抜けができるようにして、ストリートの延長のような、ふらっと立ち寄れるような場所にしたいと考えた。地上階と屋上階の対比、建築の構造に関わる1次部材と手すりやベンチに用いる2次部材の対比をそれぞれ弱めるよう、緩く変化のある階段を設け、手摺や壁は素材を切り替えながら連続的に変化する形式とし、1次部材は柱のスパンを抑えてできるだけ軽快な、2次部材はベンチの荷重やスクリーンの風荷重を負担させるために部材断面が少し大きな構造要素を使うことで全体が「1.5 次部材」で構成されたかのような、一体的で連続的な建築となることを目指した。

写真:太田拓実

OM TERRACE(建築家/東京藝術大学准教授/RFA主宰)

藤村龍至(建築家/東京藝術大学准教授/RFA主宰)

1976年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。2005年より藤村龍至建築設計事務所(現RFA)主宰。2010年より東洋大学専任講師。2016年より東京藝術大学准教授。2017年よりアーバンデザインセンター大宮(UDCO)副センター長/ディレクター、鳩山町コミュニティ・マルシェ総合ディレクター。住宅、集合住宅、公共施設などの設計を手がけるほか、公共施設の老朽化と財政問題を背景とした住民参加型のシティマネジメントや、ニュータウンの活性化、中心市街地再開発などのデザインコーディネーターとして公共プロジェクトにも数多く携わる。

http://ryujifujimura.jp/

ポートレート撮影:新津保建秀