炻器(せっき)

2016

「石や鉄にそのまま料理を盛りつけたい」。そんな要素を持ち、日常使い出できる器をデザインした。そこで出会った三重の土。本来、急須などに使用される土だが、あえて炻器(せっき)をつくった。

家でたくさんの器があっても、使う器は決まってきてしまうもの。それらの良いところを合わせ、使い勝手の良いプレート4種とボウル4種をデザインした。料理などが主役になるように、あえてシンプルに。素材感だけを活かし、磁器や陶器とも違う耐熱仕様の石のような、鉄の雰囲気の器だ。

宇南山加子(デザイナー/クリエイティブディレクター)

宇南山加子(デザイナー/クリエイティブディレクター)

1999年に宇南山加子が代表となり、SyuRoを設立。町工場がまだ多く残る東京の台東区を拠点に活動。生活で使い続けることのできる道具を日本の伝統や、職人さんの技術、それらをSyuRoのフィルターを通して、日常のデザインプロダクトとして提案している。デザイン事業をはじめとし、他社製品の企画やプロデュース、またオリジナルブランドを卸販売して、世界各国で展示会を行う。東京の東側を拠点とし直営店とギャラリーの運営も行う。

素材感を活かし、シンプルながらも、日常と非日常、洋と和などの相対する狭間での提案を得意とする。かっこよく気取ったものでもない。かっこよくあたたかいもの。思いやりとか心意気。そんな空気を生活デザインとして伝えている。

http://www.syuro.info/