第214回 宇南山加子 (デザイナー/クリエイティブディレクター)

[桐山登士樹の推薦文]

2月の初旬にアムステルダムのロイドホテルの屋根裏部屋で「SyuRo」の宇南山さんと再会した。この歴史あるホテルを会場に日本のクラフトやデザインプロダクトに特化した展示・即売会「MONO JAPAN」が開催されており、日本各地から26の出展者たちが集まっていた。窓が斜めに傾いた屋根裏の部屋と「SyuRo」の品々が見事にマッチしており、独自の落ち着き感ある雰囲気を醸し出していた。力まず確かな目で選ばれ作られた品々。その一つひとつが宇南山さんが手塩をかけて生み出したモノ達だ。そんな上質な生活のデザインに力点が置かれ、開発されたものだけに存在する意味がある。便利になりすぎた時代だが、その真逆を行う宇南山さんの確かな活動には注目しなくてはならない。パリからメルシーのバイヤーの岩田安矢さんも駆けつけヘルプをしていたが、気になる展示でありどこか心温まる時間だった。

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

宇南山加子(デザイナー/クリエイティブディレクター)

宇南山加子(デザイナー/クリエイティブディレクター)

1999年に宇南山加子が代表となり、SyuRoを設立。町工場がまだ多く残る東京の台東区を拠点に活動。生活で使い続けることのできる道具を日本の伝統や、職人さんの技術、それらをSyuRoのフィルターを通して、日常のデザインプロダクトとして提案している。デザイン事業をはじめとし、他社製品の企画やプロデュース、またオリジナルブランドを卸販売して、世界各国で展示会を行う。東京の東側を拠点とし直営店とギャラリーの運営も行う。

素材感を活かし、シンプルながらも、日常と非日常、洋と和などの相対する狭間での提案を得意とする。かっこよく気取ったものでもない。かっこよくあたたかいもの。思いやりとか心意気。そんな空気を生活デザインとして伝えている。

http://www.syuro.info/