ル・コンパクト

1998 / 資生堂

リミテッドエディションの金属製コンパクトで、パッケージ、ロゴ、カリグラフィーを担当した。テーマは過去と現在の融合。すなわち、資生堂が歴史の中でモチーフとしてきた「唐草」を現代のデザインや技術と融合させること。真鍮で成形されたコンパクトにカリグラフィーをプレスし、ロジウムメッキで覆う。凹部に黒の「色入れ」を施したのちに全体を拭き上げる、といった手間のかかる工程で作られた。中身のレフィルは現在でも出ており、長年大切に使っている愛用者の存在を伺わせる。

松本泉(デザイナー)

松本泉(デザイナー)

1959年 東京生まれ。1983年 東京藝術大学大学院修了。同年(株)資生堂入社。パッケージデザイン、クリエイティブディレクションを行う。担当ブランドは、クレ・ド・ポー ボーテ、アクアレーベル、アネッサ、エリクシール、dプログラム、&フェイス、ディグニータ、リバイタル、草花木果など多数。2002年~2014年 公益社団法人日本パッケージデザイン協会理事を務める。2014年3月 資生堂退社。フリーランスとしてパッケージデザインを行うとともに、「生命のパッケージデザイン」というテーマで昆虫の造形に着目した写真表現に取り組む。同8月、個展「甲胄・生命のパッケージデザイン」展(銀座コバヤシ画廊)同11月、二人展「花虫万華鏡」(ギャラリーコスモス)開催予定。

2014/11/5 0:00