第186回 松本泉 (デザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

この春に資生堂を退社された松本泉さん。ソーシャルメディアを通して連絡が届いた。さすが資生堂在籍中のデザインは確かで揺るぎない。企業ブランドとしての価値=確かさを守り、高めてきた一人だ。その枠が外れて、最初に目にしたのが「甲胄・生命のパッケージデザイン」展のオオクワガタである。息を呑むようなリアルで躍動感あるデザイン。解説には、生命を包み込むパッケージとしての究極のカタチと、記されている。なるほど。こんな言葉に熱く燃え滾る松本さんのデザイナー魂を感じる。これからも確かで、よりダイナミックなデザインを要所要所で見せてくれると信じている。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

松本泉(デザイナー)

松本泉(デザイナー)

1959年 東京生まれ。1983年 東京藝術大学大学院修了。同年(株)資生堂入社。パッケージデザイン、クリエイティブディレクションを行う。担当ブランドは、クレ・ド・ポー ボーテ、アクアレーベル、アネッサ、エリクシール、dプログラム、&フェイス、ディグニータ、リバイタル、草花木果など多数。2002年~2014年 公益社団法人日本パッケージデザイン協会理事を務める。2014年3月 資生堂退社。フリーランスとしてパッケージデザインを行うとともに、「生命のパッケージデザイン」というテーマで昆虫の造形に着目した写真表現に取り組む。同8月、個展「甲胄・生命のパッケージデザイン」展(銀座コバヤシ画廊)同11月、二人展「花虫万華鏡」(ギャラリーコスモス)開催予定。