KGM2

2022 / 個人

北側斜面に建つ、作陶に没頭するための別邸。外部の干渉を絶つ「要塞」という要望に対し、光や風を選択的に通す「皮膜」をまとった建築を試みた。風車状に組み合わされた4つの片流れ屋根と透明波板の隙間を通して、強い光を柔らかな拡散光へと変え、通気を促す結節点とした。壁面の窓を排し、四隅に開口部を集約することで、作品が引き立つ静謐な大壁面と快適な環境を両立し、移ろいゆく光と風のもとで創作に集中できる空間としている。

カーテンで閉ざされがちな街並みに対し、記号的な窓を削ぎ落とした寓話的な姿でありながら、外郭からあたたかな灯りだけが滲み出る、新しい住まいの風景を提案している。

写真:Lemmart

micelle ltd.(設計事務所)

micelle ltd.(設計事務所)

神戸、岐阜、東京、福岡を拠点に、住宅・商業・ホテル・神社・プロダクトなど「設計」を通して、規模や用途を横断したプロジェクトに関わる。また、国内外の作家によるアートや器を扱うギャラリー「OBG eu.」、岐阜市内に残る祖父母の商店を改修したアーティスト・イン・レジデンス「Fablic House」など、空間とオブジェクトに関する活動を展開する。

https://micelle.jp/

片田友樹
1984年岐阜県生まれ、和歌山育ち。東京大学大学院修了。スキーマ建築計画、ケース・リアルを経て、2017年 micelle ltd.主宰。近畿大学建築学部非常勤講師。

2026/8/25 14:45