各地で初夏の風景が広がる季節となりました。雨の日も増えるこの時期は、天候を気にせず楽しめる美術館やギャラリーで、ゆっくりと作品鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。
本記事では、編集部が厳選した5つのおすすめのデザイン&アートイベントを、会期終了が早い順に紹介します!
■うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と
東京・銀座の資生堂ギャラリーで、「うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と」展が2026年6月28日まで開催されています。
仲條正義さん(1933-2021)は、資生堂の企業文化誌『花椿』、資生堂パーラーのポスターやパッケージ、松屋銀座や東京都現代美術館のロゴデザインなどで知られる、日本を代表するグラフィックデザイナーのひとりです。

仲條さんのデザインは、「文字」と「画」それぞれの卓越した力に加え、とりわけ『花椿』のエディトリアルデザインにおいて、両者が響き合うことで生まれる豊かな表現を見ることができます。そこに息づいているのは、文字と画を一体のものとして捉える日本の美意識です。
本展では、日本美術の特色を踏まえながら、資生堂とともに手がけた数々の作品を通じて、仲條デザインの本質の一端に触れることができます。
■生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ
東京・六本木の国立新美術館では、「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」展が2026年7月6日まで開催されています。

展覧会キービジュアル
本展は、アジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり、日本のファッション界をけん引したデザイナー、森英恵さん(1926-2022)の没後初となる回顧展です。「ヴァイタル・タイプ」とは、森さんが1961年に雑誌『装苑』で提唱したことばで、生命力と活気にあふれる、はつらつとした人物像を指します。
本展では、オートクチュールのドレス、資料、初公開となる作品を含む約400点を通じ、森さん自身の生き方とも重なるヴァイタル・タイプという視点から、その創作の全貌をたどります。
■イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY
東京・立川のPLAY! MUSEUMでは、「イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY」展が2026年7月12日まで開催中です。

安西水丸(1942-2014)さんは、村上春樹さんをはじめとする本の装丁や、『がたん ごとん がたん ごとん』など絵本の創作ほか、小説、漫画、エッセイ、広告など多方面で活躍したイラストレーターです。
本展では、安西さんにとって描くことの原点だった「あそび」の感覚をたどりながら、印刷物、原画、版画、関連資料を500点以上展示。PLAY! MUSEUMならではの楕円の大空間では、画面を横切る一本線が特徴の「ホリゾン作品」約70点からなるインスタレーションを、安西さんが少年期を過ごした房総半島・千倉の海の映像とともに見ることができます。
■ガウディ:未来をひらく窓
スペインの建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)の没後100年にあたり、「ガウディ: 未来をひらく窓」展が、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで2026年7月12日まで開催されています。創造的で革新的な「ガウディの窓」の魅力を伝える展覧会で、東京のほか、スペイン・バルセロナでも行われています。

主催は、窓・サッシなどの建材メーカー・YKK AP株式会社。「ガウディ: 未来をひらく窓」プロジェクトは、同社がこれまでに収集したガウディの窓に関する知見や研究成果、模型、共同研究の一部などをスペインと日本で展覧会やドキュメンタリー映像、書籍、関連イベントを通して紹介し、参加者とともにガウディの豊かな窓の世界を多角的に学び、未来の窓について考える産学官連携プロジェクトです。
東京展は、世界遺産ガウディ建築パラウ・グエルで行われているスペイン展と同じコンセプトを保ちつつ、DESIGN SIGHT Gallery 3の空間を生かした独自の展示構成となっています。
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
https://www.2121designsight.jp/gallery3/gaudi_window/
■ポスター・ライフ――追悼 永井一正 富山県立近代美術館・富山県美術館への仕事から
富山県美術館で2026年7月14日まで開催されているのは、「ポスター・ライフ――追悼 永井一正 富山県立近代美術館・富山県美術館への仕事から」展です。

日本のグラフィックデザインの黎明期から第一線で活躍され、2026年2月に96歳で亡くなられたグラフィックデザイナーの永井一正さん。永井さんは、富山県美術館の前身となる富山県立近代美術館が1981年に開館して以来、移転・新築のために閉館するまでの間のほぼすべての展覧会に関するポスター、図録の表紙などのグラフィックデザインを手がけました。
本展では、ポスター作品を中心に、代表的な商業広告、ライフワークとなった「LIFE」シリーズなどからその歩みを振り返ります。
今回は5つのイベントを紹介しましたが、このほかにもたくさんのイベントがさまざまな場所で開催されています。新たな発見や楽しみのヒントを教えてくれる展覧会に、ぜひ足を運んでみてください。
(JDN編集部)




