第212回 遠藤豊 (アートディレクター / プロデューサー / テクニカルディレクター)

[桐山登士樹の推薦文]

遠ちゃん(遠藤豊さん)に出会ったのは、2009年の秋だった。私がプロデュースを担っていた「CANON DIGITAL IMAGING」のテクニカルエンジニアとして、アーティストの高橋匡太さんに紹介されたのが最初の出会いだった。難易度の高いプロジェクトであったが、どんな時でも冷静に対応し、汗を掻き、やり遂げる仕事人に信頼を寄せた。そして文化活動を最優先し、瞬間演出にかけている点も魅力だ。私のプロジェクトには欠かす事のできない人となったが、近年その噂は広がり、多くのプロジェクトからオファーが絶えない存在となった。テクニカルな演出が実践できるプロデューサーがいる事で、新たな表現の可能性が広がった事が大きい。遠ちゃんの仲間たちも、今ではアーティストとしてテクニカルエンジニアとして活発な活動を行っている。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

遠藤豊(アートディレクター / プロデューサー / テクニカルディレクター)

遠藤豊(アートディレクター / プロデューサー / テクニカルディレクター)

1977年新潟生まれ。舞台芸術を中心に、音楽や映像、デザイン、コンピューターテクノロジーとの関わりを独自に作り出す。2002年以降はアートディレクター、プロデューサー、テクニカルコーディネーターとしてさまざまな分野の企画に携わる。2005年トランスボーダーな表現と創造的なディレクションを行うための意思として、有限会社ルフトツークを設立。曖昧なメディアの媒介としての役割を確立しようと活動を広める。プロデュースやテクニカルスタッフとアーティストの、また技術とアイデアの架け橋として、社会的役割を果たすためのプロダクションを成立させることに務める。近年は国内外で積極的に活動を行う。2012年ルフトツーク・ヨーロッパをアムステルダムに設立。積極的な人と感覚の交流を目指し、拠点の境目ない感覚の遍在化を目指す。

テクニカルディレクターとして、ミラノサローネ(Canon2010-2012、Panasonic2013-2014、CITIZEN2014, 2016)、CITIZEN Baselworld(2013-2015)、デザインあ展「モノ・オトと映像の部屋」(2013東京)、「北斎」展(2014パリ)、「建築家フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」(2015東京)他、映像、音響、照明演出などに携わる。

http://www.luftzug.net/