中目黒高架下

「中目黒らしさ」をそのままに、高架下空間を利用した商店街

デザインコンセプト
担当:中村耕一郎/丹青社

中目黒駅を起点とする、高架下空間の約700mを線状に開発した施設。商店街の雰囲気をそのままに、街中の既存商店とも自然に溶け合い共存する、「中目黒らしい街の楽しみ方」をテーマにした施設づくりをおこなった。

開発コンセプトは「SHARE」。環境デザインコンセプトを「Roof Sharing」として、高架橋をひとつの屋根と捉え、連続する軒先で「時間・空間・想いの共有(Share)を自然発生させる」ことを目指した。コンセプトの実現にあたり、従来の「高架下商業のあり方」を大きく変える試みとして、店舗の個性を最大限に尊重したレギュレーションの策定と、MD計画(店舗編集)に注力。中目黒独自の景観形成とタウンブランディングを意識することで、既存商店への相乗効果を狙っている。

周辺のロケーションが目黒川~山手通り~駅前~商店~住宅街と移り変わるなか、高架下と道を挟んだ既存商店で両側町を形成。区画形状に意図的に凹凸をつけて店舗の個性づくりと賑わいを創出し、街並みや隣接店舗との間にギャップをつくることで共有スペースを生み出した。植栽の配置や街の明かりを灯すことで回遊性を高め、高架下から街へ、人々を送り出す拠点としての機能も持っている。

高架の保守・保安管理のために印字した橋脚柱番号は、街並みに馴染みながらも、距離感や括り、繋がりを想起させ、商店の位置情報として自然発生的に認識されるようになった。

所在地 東京都目黒区上目黒1丁目、2丁目、3丁目
事業主 東京急行電鉄、東京地下鉄
商環境デザイン 中村耕一郎、城戸理誠/丹青社
プランニング・MD計画・リーシング 安藤 亨、久光麻紀、堀尾奈央/丹青社
設計・監理 東急設計コンサルタント
施工 清水建設
敷地面積 約8,300m2
延床面積 約3,600m2
撮影 ナカサ&パートナーズ、ピップス