クリエイティブスキルを底上げする。社内外のトップクリエイターから学ぶ、デザインのあり方(1)

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クリエイティブスキルを底上げする。社内外のトップクリエイターから学ぶ、デザインのあり方(1)

描く力、アイデアを生み出す力、市場ニーズを紐解く力、仲間や顧客との折衝力……。デザイナーとして成長するために必要なスキルは数えきれないほど多い。目の前の仕事に手一杯で、自身のスキル向上をおざなりにしてしまうこともあるかもしれない。そんな中「世界一のデザイナー育成のプラットフォーム」を掲げてデザイナーの育成に力を注ぐのが、空間づくりを行う丹青社のデザインセンターだ。

約270名のプランナー・デザイナーを擁するデザインセンターでは、社員のデザイン力を強化する施策を数多く実施している。社外のトップクリエイターを「クリエイティブ・パートナー」として迎え、デザインについて直接学ぶ施策もその一つ。デザイン力の向上にこだわる理由は何か、そして、社外のクリエイターとの取り組みを通じてどのようなスキルが身につくのか。

2022年に同社がおこなった実践型研修プログラム「松江 光のプロジェクト」の講師を務めた、ライティングデザイナー・内原智史さん、プログラム参加者の前橋蓮太郎さん、メンドサイハン・ヘルレンさん、そしてデザインセンターデザイン戦略局 企画室 室長の吉田麻紀さんにお話を聞いた。

クリエイティブに壁はいらない。全領域を結集させたデザインセンター

――デザイナー育成の話に入る前に、まずはデザインセンターの目的や役割について教えてください。

吉田麻紀さん(以下、吉田):デザインセンターは2018年に発足、クリエイティブに関わるすべての領域を統合した部門です。それまでは、クリエイティブ職であるプランナーやデザイナーは、商業施設や文化施設など、手がけるプロジェクトの分野ごとに分かれた事業部に属していました。

統合するにいたった理由は、各クリエイティブ職の視点を交差させ、分野を横断し、価値を創造していくためです。プランナーが考えた全体的戦略から導き出せるものもあれば、デザイナーの細やかな視点が課題解決の突破口になることもある。垣根を超えて協働するからこそ、これからの時代に求められる空間を生み出せるはずだとの考えが根底にあります。

丹青社 吉田麻紀

吉田麻紀 丹青社 デザインセンター デザイン戦略局 企画室 室長。デザインセンター全体の採用・育成・評価といった一連の組織運営サポートを担当。デザイン戦略を推進し、「クリエイティブ・パートナー」の取り組みをはじめとしたデザイン力強化施策の企画・運営を手がける

内原智史さん(以下、内原):私自身、ライティングデザイナーとして日々光を扱っていますが、たとえば都市計画を考える上でも、領域を横断して、建築、ランドスケープ、ライティングの3つの視点を掛け合わせましょうという考え方が、ここ数年で広まってきています。

内原智史

内原智史 内原智史デザイン事務所 代表取締役。ライティングデザイナー。光による空間プロデュースを中心に、うつくしま未来博、六本木ヒルズ ヒルズアリーナ、東京国際空港羽田第2ターミナルなどのライティングを手がける。丹青社の「クリエイティブ・パートナー」を務める

内原:専門外の領域について「自分には関係ない」とそっぽを向くのではなく、自らの視点をもって関わっていくことで、発想はぐっと豊かになる。これからのクリエイターはそうした姿勢が求められるでしょう。丹青社のデザインセンターは、領域を超えたコミュニケーションを図るためのプラットフォームとして、とても魅力的だと思っています。

吉田:ありがとうございます。垣根を越えて協働することで、丹青社がこれまで築いてきたさまざまな領域のナレッジを誰もが自由に獲得できる。また、個性豊かな専門家たちとのコミュニケーションを通じ、社内外のクリエイティビティの刺激を受けられると考え、デザインセンターでは「世界一のデザイナー育成のプラットフォーム」を掲げ、組織全体のクリエイティビティの向上に取り組んでいます。

入社後の多角的育成カリキュラムと、中長期的なフォローを掛け合わせる

――「世界一のデザイナー育成のプラットフォーム」を実現するために、育成面では具体的にどのような取り組みをおこなっているのでしょうか?

吉田:全社的な新入社員研修を経て配属後、デザインセンターでは3年目頃までは、一人前になるためのスキルを段階的に得られる教育体制を整えています。

メンドサイハン・ヘルレンさん(以下、ヘルレン): 入社してすぐに取り組んだのは、実践型の新入社員研修「人づくりプロジェクト」です。

丹青社オリジナルの実践型新入社員研修として2005年からつづく「人づくりプロジェクト」。会社を知り、業務推進に必要な基礎知識を学ぶ「導入研修」「業務の手引き」と、ものづくりを実践する「プロダクト制作」で構成される(撮影:尾鷲陽介ほか)

ヘルレン:その中心プログラムである「プロダクト制作」では、約4カ月かけて第一線で活躍するデザイナーや職人の方々とともにものづくりに取り組み、丹青社のデザイナーとしての姿勢から、ほかの職種と連携する重要性などを学ぶことができました。特に驚いたのは、大きな会社なのに一人ひとりに合ったフォローをしてくれる点。画一的な指導ではなく、それぞれの個性を活かす方法を一緒に考えてくれたのが印象に残っています。

丹青社 メンドサイハン・ヘルレン

メンドサイハン・ヘルレン 丹青社 デザインセンター BIMデザイン局 デザイナー。2021年に入社し、商業施設の空間を中心に手がけ、提案から設計まで担当。2023年に「クリエイティブ・パートナー」の研修プログラムに参加

吉田:「人づくりプロジェクト」を終えた後は、配属先でのOJTで各分野の知識や経験を習得していくだけでなく、デザインセンター独自の多角的育成カリキュラムにより、クリエイターとしての総合的なスキルを身につけていきます。その構成は、「クリエイティブ」「エンジニアリング」「キャリア支援」の計3つ。

「クリエイティブ」では、デザインセンターのトップクリエイターたちとのコミュニケーションを通じて、クリエイティブスキルの向上を目指します。ただ、どれだけ良いアイデアを生み出すことができても、それを形にする力がなければ意味がない。そこで、アイデアをどう現実のものにしていくかを学ぶのが「エンジニアリング」です。さらに「キャリア支援」では、第三者の視点から働き方やキャリアの築き方の相談ができます。

吉田:そのほかにも、若手から中堅層に向けたセミナーや育成プログラム、社内交流のイベントなど部門独自の取り組みもあり、中長期的なクリエイティビティ向上を目指しています。

前橋蓮太郎さん(以下、前橋):私はデザインセンター内での分野を超えたナレッジの共有によるクリエイティビティ向上を目的とした社内交流活動に運営メンバーとして参加していました。企画を立てて情報を集め、社内に発信をしていく中で、運営メンバー間での交流も生まれますし、発信する側と受け取る側の交流も積極的につくりだしていくことで、より多彩な個性や創造性が活きてくると思っています。この活動は、丹青社の魅力である多様な人材の個性を共有し、シナジーを生み出せる可能性を秘めていると感じています。

丹青社 前橋蓮太郎

前橋蓮太郎 丹青社 デザインセンター プランニング局 プランナー。2019年に入社し、商業施設や再開発プロジェクトを手がける。2021年以降は、企業のショールームや文化空間の展示企画にも携わる。2023年に「クリエイティブ・パートナー」の研修プログラムに参加

クリエイティブマインドを高めるための、デザイン力強化施策

――若手の育成のほかに、「世界一のデザイナー育成のプラットフォーム」を実現するために取り組んでいることはありますか?

吉田:特に力を入れているのは「デザイン力強化施策」です。これは、クリエイティブスキル向上を支援し、チームで能力を発揮できる環境をつくりあげることや、丹青社の強みである「デザイン力」を共有・発信し、クリエイティブマインドを持ってデザイン力強化に取り組むことを目的にしています。おもにはワークショップやセミナー、実践型のプロジェクトなどをおこなっています。

丹青社 若手マーケティング研修の様子

マーケティング研修の様子

クリエイティブサロン 配信時の様子

クリエイティブサロン 配信時の様子

吉田:こうした「デザイン力強化施策」の1つとして取り組んでいるのが「クリエイティブ・パートナー」とおこなう研修プログラムです。組織のデザイン力を強化していくには、これまで築き上げられてきた社内のノウハウを継承するだけでなく、社外のトップクリエイターから刺激を受けることも重要。

また、外の視点を知るだけでなく、お客さまやほかのクリエイターとの中長期的な信頼関係を築く姿勢も学んでほしい。そうした考えから、国内外で活躍し続けるクリエイターの方々から直接学びを得られるセミナーやワークショップを開催しています。

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