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2022

回転している人の背よりも高く白いオブジェは、よく見ると人体の形状を模している。「歩く」という、人々にとって根源的な動作が回転によって立ち現れ、この大きな人はどこかへ向かって歩き続けている。

作品の原型は、パンデミックによって物理的な移動が困難になり、作者自身も制約を受けたなかで、人間は移動する生き物であること、動き続ける存在であることを改めて実感したことから生まれた。

作品の台座は方位を表すクロックポジション(正12角形)の形をしており、人体の中心を軸に全方向へ歩いている。多様で複雑な現代において、人々は今どこを歩いているのか、どこへ向かおうとしているのか、その問いかけや選択肢の提示を試みている。

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後藤映則(アーティスト)

後藤映則(アーティスト)

1984年岐阜県生まれ。古くから存在するメディアや素材から現代的なテクノロジーまで、さまざまな手法を掛け合わせ、動き、時間、生命感を扱う作品を手がけている。近年のおもな展覧会に、2023年「The 27th ifva Festival」Hong Kong Art Center(香港)、2022年「光‧舞弄‧影 – 2022臺灣國際光影藝術節」台湾国立美術館(台湾)、2022年「Akinori Goto "Heading" – phenomenal #01」nomena gallery Asakusa(東京)、2020年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像」高松市美術館(香川)、2019 年「オープン・スペース 2019 別の見方で」NTT Inter Communication Center [ICC](東京)、2019年「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(オーストリア)など。おもな受賞にアルス•エレクロトロニカ賞Honorary Mention(栄誉賞)、STARTS PRIZE(EU)ノミネーションなど。現在、武蔵野美術大学准教授。

https://www.akinorigoto.com/
https://www.instagram.com/akinori_goto_/

2023/3/8 17:55