第286回 後藤映則 (アーティスト)

[桐山登士樹の推薦文]

昨年4月に、nomenaの武井祥平さんのオフィスで打合せがあり、浅草に出かけた。オフィスがあるビルの2階には「nomena galley Asakusa」があり、アーティストの後藤映則さんの個展が準備されていた。打合せ終了後にのぞかせていただき、その表現に驚いた。後藤さんはその日は不在だったため、改めて週末に訪れ、一つひとつ丁寧に作品を解説いただいた。この人の魅力は、発想の豊かさとエンジニアリングにも精通している点だろう。また、支えてくれる有能な仲間を味方に付けている。

その5カ月後に、後藤さんから展示のご連絡をいただいた。今日の今日の案内だったので一瞬躊躇したが、夕方にお台場に設置された「Heading」を拝見しに出かけた。そのスケールと作品が放つメッセージにしばし酔いしれたのを覚えている。目の離せない、楽しみなアーティストが出現した。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

後藤映則(アーティスト)

後藤映則(アーティスト)

1984年岐阜県生まれ。古くから存在するメディアや素材から現代的なテクノロジーまで、さまざまな手法を掛け合わせ、動き、時間、生命感を扱う作品を手がけている。近年のおもな展覧会に、2023年「The 27th ifva Festival」Hong Kong Art Center(香港)、2022年「光‧舞弄‧影 – 2022臺灣國際光影藝術節」台湾国立美術館(台湾)、2022年「Akinori Goto "Heading" – phenomenal #01」nomena gallery Asakusa(東京)、2020年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像」高松市美術館(香川)、2019 年「オープン・スペース 2019 別の見方で」NTT Inter Communication Center [ICC](東京)、2019年「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(オーストリア)など。おもな受賞にアルス•エレクロトロニカ賞Honorary Mention(栄誉賞)、STARTS PRIZE(EU)ノミネーションなど。現在、武蔵野美術大学准教授。

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