Bull of Cave Painting

2020

《Bull of Cave Painting》は、太陽の光によって特定の時間に雄牛が出現する作品。東西に対置させた正方形の板の間に複数の紐が複雑に交差し、ある一箇所の交点が雄牛の形をしている。これが日の差し込む南側に設置されており、快晴時は壁の隙間からスリット状の太陽光が作品に当たる構成になっている。

太陽が南中する正午の時間帯の辺りのみ、数分間雄牛が見え、曇りや雨の日は見えない。毎日少しずつ雄牛の見える時間帯は変化し、光が収束してはまたバラバラに解体されていくのを繰り返す。鑑賞は自分でコントロールができず、人の意思や働きかけとは無関係に雄牛が出現し、自然現象の一端が取り込まれている。

プログラミング協力:吉田敬介

Bull of Cave Painting
後藤映則(アーティスト)

後藤映則(アーティスト)

1984年岐阜県生まれ。古くから存在するメディアや素材から現代的なテクノロジーまで、さまざまな手法を掛け合わせ、動き、時間、生命感を扱う作品を手がけている。近年のおもな展覧会に、2023年「The 27th ifva Festival」Hong Kong Art Center(香港)、2022年「光‧舞弄‧影 – 2022臺灣國際光影藝術節」台湾国立美術館(台湾)、2022年「Akinori Goto "Heading" – phenomenal #01」nomena gallery Asakusa(東京)、2020年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像」高松市美術館(香川)、2019 年「オープン・スペース 2019 別の見方で」NTT Inter Communication Center [ICC](東京)、2019年「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(オーストリア)など。おもな受賞にアルス•エレクロトロニカ賞Honorary Mention(栄誉賞)、STARTS PRIZE(EU)ノミネーションなど。現在、武蔵野美術大学准教授。

https://www.akinorigoto.com/
https://www.instagram.com/akinori_goto_/

2023/3/8 17:55