Mame Kurogouchi

2021 / Mame Kurogouchi

長野県立美術館にて、2021年6月から約2カ月間開催された展覧会の会場構成。日本を代表するファッションブランドである「Mame Kurogouchi(マメ クロゴウチ)」の美術館では初となる単独での展覧会です。

Mame Kurogouchiのデザイナーである黒河内真衣子さんの私小説的とも言えるクリエイションの背後に複雑にレイヤーされた諸要素を視覚化し、10年間におよぶ創作の旅路を紹介。これまで発表されたコレクションに共通する10のキーワードが、デザイナー自身のダイアリー、着想源となった品々や写真、テキスト、オリジナルのテキスタイル、コレクションのアーカイブなどを用いて多面的に可視化され、ブランドの思想の根底に触れるかのような空間を作り出しました。

対話の中から、黒河内さんの故郷である長野の風景をヒントに、ブランドの思想が透明感のある空間に浮かびあがることを目指しました。10のキーワードは、明確にエリアを規定することなく緩やかな繋がりのある配置とし、透明感あるショーケースに入った衣装やエレメントたちが重なりあって、全体としてブランドの持つコンセプトが重層的に見えてくる空間となっています。

写真:三嶋一路

中原崇志(建築家・ミュージアムデザイナー)

中原崇志(建築家・ミュージアムデザイナー)

鹿児島県出身。建築アトリエ「有馬裕之+Urban Fourth」を経て、建築、インテリア、ミュージアムデザインの分野で活動。科学館や博物館の常設展示や企画展示の設計を中心としながら、建築の設計、インテリア、空間インスタレーションなど多岐に渡り取り組んでいる。主な仕事に、GINZA SONY PARKや21_21 DESIGN SIGHTの展覧会会場構成、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」「10 Mame Kurogouchi」「日本科学未来館の常設展示」「上海万博日本産業館 INAXブース」など。主な受賞歴としてSDA大賞・経済大臣賞や、空間デザイン賞優秀賞、ADC賞等を受賞。

https://takashi-nakahara.com/

2023/1/18 14:15