第284回 中原崇志 (建築家・ミュージアムデザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

ミュージアムデザイナーという肩書きを名乗る中原崇志さん。手がけた展覧会を見ると、毎月足を運ぶような美術展の会場構成を担当されており、アート界では極めて貴重な存在だと知る。昨年秋に知り合い、いま私のプロジェクトにも参画いただいている中原さん。百戦錬磨のなせる技か、引き出しの多さ、対応の柔軟さに信頼感が増す。この10年で大きく変わったのは、多くの方が美術芸術に感心を持つようになったことだ。しかし統計的には入場者は増加していない。こうした動向を受けて多彩な見せ方、展覧会の質を上げる役割を今後も担っていってほしい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

中原崇志(建築家・ミュージアムデザイナー)

中原崇志(建築家・ミュージアムデザイナー)

鹿児島県出身。建築アトリエ「有馬裕之+Urban Fourth」を経て、建築、インテリア、ミュージアムデザインの分野で活動。科学館や博物館の常設展示や企画展示の設計を中心としながら、建築の設計、インテリア、空間インスタレーションなど多岐に渡り取り組んでいる。主な仕事に、GINZA SONY PARKや21_21 DESIGN SIGHTの展覧会会場構成、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」「10 Mame Kurogouchi」「日本科学未来館の常設展示」「上海万博日本産業館 INAXブース」など。主な受賞歴としてSDA大賞・経済大臣賞や、空間デザイン賞優秀賞、ADC賞等を受賞。

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