WRAP

2015 / 個人

愛知県松山市に建つこの住宅に求められたのは、高台特有の立地条件を生かし、目前に広がる見下ろしの絶景が楽しめる、いわば「展望台」のような役割。主体構造を木造としながら、無柱で水平連続窓が実現する、いわばシェルのようなおおらかなで美しい構造体(LVL〈単板積層材〉とSPF〈構造材〉の組み合わせ)の開発が重要なミッションだった。

1階は家族のプライバシーを確保しつつも空間に開放性をもたらすべく、エントランスコートやバスコートなど、大小異なる中庭を設置。日常と非日常の両立、自然光と人工照明の調和、大胆な架構と繊細なディテールのコントラストが空間全体に奥行きやオリジナリティーを生み出している。

建築写真:西川公朗

黒崎敏(APOLLO Architects & Associates 代表取締役/建築家)

黒崎敏(APOLLO Architects & Associates 代表取締役/建築家)

大手メーカーの商品開発、設計事務所主任技師のキャリアを経て、2000年に自身が主催するAPOLLOを設立。邸宅、ヴィラ、リゾートホテル、商業施設の設計のほか、企業の商品開発やブランドデザインに関わる。世界的デザイン賞である「Wallpaper Design Award」 で「Best New Private House」を受賞するほか、「Archiproducts Design Awards」では5年連続日本人審査員を務めるなど、海外でも高い評価を得ている。

https://kurosakisatoshi.com/

2021/1/13 11:55