GRID

2016 / 個人

数多くの美術品を保有するクライアントは、コレクションと共存する美術館のような住宅での生活を希望された。閑静な敷地周辺に対し、威圧感やノイズを排除するため平屋を選択。色や素材も最低限にとどめることで、あくまでアートの背景としての空間を意識した。

また、空間そのものもアートとして存在している。クライアント自らが厳選した美術や家具、照明器具を建物と一体化させるために、キッチンやバスルームなどの生活空間を表出させず、生活のノイズを極力排除した。さながら「美術館のような家」となっている。

建築写真:西川公朗

黒崎敏(APOLLO Architects & Associates 代表取締役/建築家)

黒崎敏(APOLLO Architects & Associates 代表取締役/建築家)

大手メーカーの商品開発、設計事務所主任技師のキャリアを経て、2000年に自身が主催するAPOLLOを設立。邸宅、ヴィラ、リゾートホテル、商業施設の設計のほか、企業の商品開発やブランドデザインに関わる。世界的デザイン賞である「Wallpaper Design Award」 で「Best New Private House」を受賞するほか、「Archiproducts Design Awards」では5年連続日本人審査員を務めるなど、海外でも高い評価を得ている。

https://kurosakisatoshi.com/

2021/1/13 11:55