妄想と現実を代替するシステムSRxSI

2013

虚構と現実の境界を判別不能にするSRシステム(代替現実システム)と「大根をなでると艶かしく喘ぐ」デバイスSI(セクハラ・インターフェース)を連携した作品。喘ぐ大根とお姉さんをミックスしてHMDに流すことにより、虚構のお姉さんを触れるようになります。鑑賞者の興奮度合いに応じてストーリーが分岐し、仮想の美女の行動がエスカレートしていきます。みんな恍惚の表情をします。が、傍目に観るとニヤニヤしながら大根を触っている人になります。

嗅覚や触覚など、人間の五感を複合的に同期させながらハックした結果、非常にリアルな興奮体験を作り出すことに成功しました(被験者アンケートで『非常に興奮した』が2割、『かなり興奮した』が8割)。

市原えつこ(メディアアーティスト、妄想インベンター)

市原えつこ(メディアアーティスト、妄想インベンター)

1988年愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。Yahoo! JAPANでデザイナーとして勤務後、2016年に独立。「デジタル・シャーマニズム」をテーマに、日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性と、日本文化に対する独特のデザインから、国内外から招聘され世界中の多様なメディアに取り上げられている。おもな受賞歴には、第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、アルスエレクトロニカ賞Interactive Art+部門栄誉賞、EU(ヨーロッパ連合)より科学、社会、芸術の優れた融合に贈られる「STARTS PRIZE」ノミネート、ほか多数。

http://etsuko-ichihara.com/

2020/3/4 11:25