セクハラ・インターフェース

2012

触ると艶かしく喘ぐ大根。

日本には「性の大豊作」と言って良いほど驚くべき豊かな性文化があります。 男根崇拝、秘宝館、クリエイティブすぎるラブホテル、春画、TENGAという徹底的に洗練されたアダルトグッズなど、太古から現代にいたるまで、日本人のエロに関するクリエイティヴィティには、目を見張るものがあります。

日本性文化見聞録の「エロティック・ジャポン」がフランスでベストセラーになるなど、日本の不可思議かつ良質なエロに関する国際的な注目度も高くなってきていますが、メディアアートの分野において、なぜか「性」の香りが排除されていることに疑問を持ち、この「セクハラ・インターフェース」の制作を開始しました。 日本人が潜在的に持つエロに関する豊かなイマジネーションに、これまた日本人特有のデバイスへのフェチズムを融合する試みです。2年強の試行錯誤を重ねてでき上がったのが、現在の「大根を撫でると艶かしく喘ぐ」シンプルなデバイスでした。

妄想、ディレクション:市原えつこ
ハードウェアデザイン&プログラミング:渡井大己
音響プログラミング:慶野優太郎

市原えつこ(メディアアーティスト、妄想インベンター)

市原えつこ(メディアアーティスト、妄想インベンター)

1988年愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。Yahoo! JAPANでデザイナーとして勤務後、2016年に独立。「デジタル・シャーマニズム」をテーマに、日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性と、日本文化に対する独特のデザインから、国内外から招聘され世界中の多様なメディアに取り上げられている。おもな受賞歴には、第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、アルスエレクトロニカ賞Interactive Art+部門栄誉賞、EU(ヨーロッパ連合)より科学、社会、芸術の優れた融合に贈られる「STARTS PRIZE」ノミネート、ほか多数。

http://etsuko-ichihara.com/

2020/3/4 11:25