仄見光彩箱

2018

テキスタイルは自立しない。それは立体を考える上で不利なことなのか。「自立しない」というテキスタイルの性質をいかした箱はつくれないだろうか。

テキスタイルにおいて箱のようなものはないだろうかと考えて行った結果、蚊帳(かや)に行き着いた。大切な人や食材を害虫などから守るために、人々は古来より蚊帳を用いてきた。蚊帳はしっかりと包み込みながら、その中にあるものの存在を外から確かめることができ、空気の循環も考慮された画期的な道具である。このようなイメージを元に金属と糸を用いて、従来の、そして他素材の箱のイメージとは一線を画す、テキスタイルの性質があって成り立つ箱に仕上げた。

アートフェア東京2019への出品を予定している。

仄見光彩箱(テキスタイルアーティスト)

安達大悟(テキスタイルアーティスト)

愛知県出身。2012年に金沢美術工芸大学 美術工芸研究科 工芸専攻修士課程を修了後、金沢卯辰山工芸工房に入所。その後、3年間の研修を経て同工房の専門員となる。作品の多くは、江戸時代には親しまれていた「板締め絞り」という伝統技法を用いたものだが、その根底には「素材の可能性を見出し可視化する」というコンセプトがある。現在は後進の育成を行いながら、板締め絞りによるタペストリーの制作やワンピースやバッグなどの制作、ホテルユニフォームのデザインをはじめ、トロフィーのデザインなどテキスタイル分野を超えた仕事も手がける。伝統と革新を行き来することで生まれる、まだ見ぬクリエイションを目指している。

http://dadachitex.wixsite.com/daigoadachi

2019/2/20 10:40