DUAL

2017

富山県で「しけ絹」を生産する松井企業とのコラボレーション。

繊維を染色するときに、繊維の余分な成分を取り除き染色性を向上させる“精錬”という工程があり、松井機業が製造している「しけ絹」は、この精錬の有無により質感が大きく異なる。この作品は絞りを施した状態で精錬を行うことで二つの風合いを同居させることを目指し、また染色した際の表情の差異にも着目。しけ絹の持つイメージから優しい光をモチーフに、絹の特性を味わえる仕上げとした。

2017年富山県美術館「ワールド工芸100選」展において展示。

安達大悟(テキスタイルアーティスト)

安達大悟(テキスタイルアーティスト)

愛知県出身。2012年に金沢美術工芸大学 美術工芸研究科 工芸専攻修士課程を修了後、金沢卯辰山工芸工房に入所。その後、3年間の研修を経て同工房の専門員となる。作品の多くは、江戸時代には親しまれていた「板締め絞り」という伝統技法を用いたものだが、その根底には「素材の可能性を見出し可視化する」というコンセプトがある。現在は後進の育成を行いながら、板締め絞りによるタペストリーの制作やワンピースやバッグなどの制作、ホテルユニフォームのデザインをはじめ、トロフィーのデザインなどテキスタイル分野を超えた仕事も手がける。伝統と革新を行き来することで生まれる、まだ見ぬクリエイションを目指している。

http://dadachitex.wixsite.com/daigoadachi

2019/2/20 10:40