log x

2025

GINZA SIX の屋上で期間限定展示として使用されていた「背割り」の入った丸太たち。「背割り」とは、乾燥による材木の割れを防止・軽減させるために製材行程で行われるスリットの事を指す。丸太は英語で「log」という。ログハウスで聞きなじみはあっても、PCなどでよく見かけるログインのログが丸太ということは知っていただろうか。その昔、船乗りは紐で括りつけた丸太を海へ投げ、離れていく距離で船の速度を測っていたそうで、それから「log」は「記録」という意味も持つようになった。

今回の企画は約200本の不揃いな丸太 (log) を2カ月ほどかけてさまざまな加工方法(x)を試し、機能のある「何か(log x)」へと変化させていく実験的なものである。また、切り方や削り方を分類別に記録し、その可能性と方法をオープンソースとして公開することを目指す。

等間隔に並んだ丸太はカフェスペースにおける椅子であり、作業場に並ぶ素材でもある。徐々に変化していく空間を何度か訪れ観察するのもきっと面白いだろう。

太田琢人(デザイナー/アーティスト)

太田琢人(デザイナー/アーティスト)

1993年フランス生まれ。2017年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。2022年東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修士課程卒業。2019~2025年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科の助手として従事したのち独立。物と人間のコミュニケーションについて興味を持ち、日常の観察の中で新たな視座の発見を作品へ変換する。特定の分野に固執せず、プロセスや考え方の流動性と多元的思考を大切にしている。主な展示に「logx」(SKWAT-PARK-,東京,2025)「結晶化したエアークオーツの聲」(contrast,東京,2025)「Thinking Piece」(Dropcity、イタリア、2023)、「藝大アーツイン丸の内 2022」(丸ビル、東京)など。

https://www.instagram.com/ohtatakuto/

2025/9/4 15:35