上西祐理(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
1987年生まれ。東京都出身。2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業、同年電通入社、2021年独立、北極設立。 ポスター、ロゴなど単体の仕事から、ブランディングやキャンペーン、映像、空間、本、雑誌など仕事は多岐にわたる。2024年には自身初の個展、「上西祐理 now printing」をginza graphic galleryにて展示。主な受賞歴:東京ADC賞、JAGDA新人賞、JAGDA賞、CANNES LIONS金賞、NYADC金賞、D&AD Yellow Pencilなど。趣味は旅と雪山登山。旅は現在45カ国達成。
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ここであらためて伝えるまでもなく、上西祐理さんのグラフィックデザインはすでに多くの注目を集めている。あるいは、上西さんの名前を特別に意識させるものではなかったとしても、広告やブランドビジュアルとして確実な印象を残し続けてきた。電通に在籍していた時代から独立した現在にいたってなお、メッセージ性の高い表現には、見る側を一瞬で惹きつける強さがある。
忙しいスケジュールをやりくりして雪山へ単独登頂する、という上西さんの驚くべき行動力と精神力は、その強さを支える原点のひとつに違いない。独自の審美眼で選び抜いた、訪れた国や地域の物産品や特徴的な印刷物のコレクション群もまた、創造の源泉を豊かにしているはずだ。
視覚的な伝達とは、ただ情報をのせる役割を果たすことではない。手がける人物の視点や人となりが交錯するところに成立するのだと、上西さんの仕事から感じ取ってみてほしい。
高橋美礼(デザインジャーナリスト)
ミラノ・ドムスアカデミーにてマスターデザインコース修了後、フリーランスとして多領域のデザインにかかわりながら国内外のデザインを考察し、書籍や雑誌、ウェブ媒体での執筆、編集をおこなう。多摩美術大学芸術学科非常勤講師、法政大学デザイン工学部兼任講師。
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