- デザインコンセプト
- 担当:トラフ建築設計事務所
使用済みのトラックタープ(幌)、自転車のインナーチューブ、廃車のシートベルトを使った、色とりどりのメッセンジャーバッグやアクセサリーを展開する「FREITAG(フライターグ)」。銀座店・渋谷店に続く、大阪店の内外装計画。通りに面した65m2の店内に、1200点におよぶ1点物のバッグを収納するため、空間を最大限に活用するストアデザインが求められた。
そこで、限られたスペース内でも高密度に商品をディスプレイする、JRグループの駅構内にある小型売店「キオスク」のスタイルをヒントに、売り場中央にコの字型のカウンターを設ける計画とした。このカウンターはスチールのキャビネットで、人の手の触れる部分の天板には、杉の間伐材の端材を加工した中空パネルを使用している。
カウンター上部に吊り下げられた幕は、FREITAGのバッグと同じトラックタープでつくられていて、開店時には開かれてキオスクのオーニングのようになる。閉店時には閉じて幕の裏面に印刷されたロゴが路面から見える仕組みになっている。カウンター左右の壁面には、FREITAGオリジナル什器を高さいっぱいに並べ、奥の壁面にはスチールの有孔パネルを設置し、フックなどで立面を有効に使って多用なビジュアルディスプレイが展開できる。
天井は既存のコンクリート躯体をクリーニングしてから、工場でも使われる施設照明を吊り、床は研磨するだけとした。この、銀座店や渋谷店でも行われた既存躯体のトリートメントという手法は、FREITAGの店舗に共通するインダストリアルな印象を演出するだけでなく、新しい商品什器とのコントラストを生み出し、空間全体にメリハリを与えている。
キオスクというテーマを取り込むことで、FREITAGのストアにまた新しい価値を与えることができればと考えた。
主要用途 | 物販店舗 |
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設計 | トラフ建築設計事務所 |
施工 | イシマル |
サイン・グラフィック | FREITAG |
照明計画協力 | 遠藤照明 |
所在地 | 大阪府 |
延床面積 | 65m2 |
設計期間 | 2017年12月~2018年2月 |
施工期間 | 2018年3月 |
撮影 | 阿野太一 |