個展AOYAMA CREATORS STOCK 19「SOUNDLESS RECORDS」

2021

2021年4月23日から6月18日まで竹尾 青山見本帖にて開催された、紙のレコード盤製作を主としたレコードを題材にした作品展示。

2018年12月にレコード製作会社である東洋化成社の鶴見工場の見学から始まったプロジェクト。箔押しでの溝の再現と紙象嵌、UVインクジェットの組み合わせでシングル盤のディテールを徹底的に再現。さまざまな種類の黒・金・銀とカラー9色の合計36種類の紙のレコード盤を展示した。

ほかにレコード盤製造の工程を表現し、金紙に楽曲の歌詞をレーザー加工で彫り込んだゴールドディスクをイメージしたポスター、UVインクジェットの厚盛り印刷によるレンチキュラーのような仕上がりのモノトーンポスター、LPサイズのレコジャケ仕立ての仕事紹介展示などを行なった。

本来ならば音が聞こえてくるはずのレコード盤だが、この紙のレコード盤には音はない。奇しくも、あるはずの日常が消えたこの1年半を暗示させる内容となったが、こちらの静寂はデザインのちからで見た人に豊かな想像を掻き立てる、ポジティブなサウンドレスである。

会場撮影:桜井ただひさ

小島利之(アートディレクター、グラフィックデザイナー)

小島利之(アートディレクター、グラフィックデザイナー)

東京都出身。田中一光デザイン室、廣村デザイン事務所を経て独立。VI、ブランディング、展示デザイン、パッケージ、エディトリアル、ポスターなどのデザイン、ヴィジュアルディレクション、グラフィック制作を手がける。東京造形大学非常勤講師。

http://www.kojimadesign.jp

2021/7/21 12:25