第248回 大野友資 (建築家)

[桐山登士樹の推薦文]

建築家の大野友資さんは、ロフトワークの「Year End Party 2019」に伺った際にお会いした。まだ若いので作品は少ないのかなと思ったが、大野さんのサイトを拝見すると、この数年間にさまざまなプロジェクトに携わっている方だと知り、2020年最初のデザイナーとしてご紹介することとした。

2019年10月末に竣工した渋谷スクランブルスクエア15階の協創施設「SHIBUYA QWS」は、山本基揮建築設計と共同で対応したプロジェクトだが、人々が交わり、会話し、協働する新しいスタイルのスペースである。自然体で脳を刺激するように、さまざまな場が設定されている。私がこの世代に期待したいのは、ヒューマンセンタードで自由な思考の場の創出である。大野さんは既存の建築やデザインにとらわれず、たくさんの可能性を提供してくれるであろう。期待したい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

大野友資(建築家)

大野友資(建築家)

1983年ドイツ生まれ。DOMINO ARCHITECTS代表。東京大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院修士課程修了。カヒーリョ・ダ・グラサ・アルキテットス(リスボン)、ノイズ(東京/台北)を経て2016年独立。2011年より東京芸術大学非常勤講師を兼任。

DOMINO ARCHITECTS

大野友資によって2016年に設立されたプラットフォーム。デザインの実践と理論の両面から歴史や文脈への接続を試み、情報と物質、デジタルとアナログ、ハイテクとローテクを相対化するような設計を手がける。その活動はさまざまなチームとの協働によって形作られ、建築、インテリア、プロダクトデザイン、リサーチや企画開発まで多岐にわたる。

http://www.dominoarchitects.com/