Yuen

2010

Royal College of Artでの最初の作品。この小さなライトは人工筋肉繊維とバネにより、まるで生物のように発光部をなめらかに動かすことができる。それぞれの土台には光センサーが6方向についており、彼らは常に、自分のまわりで一番暗い方向を探してそちらに光を向ける。そうすると隣のライトのセンサーに影響を与えるため、結果的にすべてのライトが間接的につながるという系ができる。

人間も影を落とすことでその系に取り込まれる。「インタラクション」とは反応することではなく、対話すること。この作品において、このライトたちと人間は光と影という場のうえで対等であり、その関係は非常に対話的である。Reddot Design Concept 2012の照明部門においてBest of the Best Awardを受賞。高畠元氏との共同制作。

吉本英樹(デザインエンジニア)

吉本英樹(デザインエンジニア)

1985年生まれ、和歌山県出身。博士(イノベーションデザイン工学)。東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業/同大学院修士課程を修了した後、2010年に渡英、Royal College of Art, Innovation Design Engineeringコースにて博士課程を修了。同時にロンドンにてTangent Design and Invention Ltdを創業し、ディレクターとしてすべてのクリエーションを指揮する。「Design and Invention Brand」を名乗り、電子工学、機械工学、プログラミング等の技術を自由に駆使しながら、ブランドとして新しいデザイン家具や空間演出商品を開発・製造・販売している。Lexus Design Award(2013)、Reddot Design Concept Best of the Best Award(2012)、日本人工知能学会全国大会優秀賞(2010)、情報処理推進機構スーパークリエーター認定(2010)など、デザインと工学の両分野において受賞多数。

http://www.tangent.uk.com