Tupperware

2014

Royal College of Artでの博士課程の研究テーマは「Pulse and Rhythm」。リズミカルに反復する運動が、デザインの要素としてどう機能しうるか、サイエンス、心理学、美学の論考を借りながら論じた。これはその中で制作した作品のひとつ。

このタッパーには電池と小さなエアポンプが雑然と入っており、水槽の中で呼吸するかのように、定期的に泡を吐いている。しかし、この電池がいつまで持つかわからない。蓋の隙間から水が入り込んでしまうかもしれない。この泡のパルスだけが、いわば彼の「生存」を確認できる唯一の手がかり。実際に、実験では、5日後にパルスが目に見えて弱くなり、7日後に止まり、取り出すと少量の水が入り込んで回路が焼けていた。微かでシンプルな反復運動に、この「醜い」タッパーが、生と死を想い、悲しみの対象になりうるほどのパワーがあるということを示そうとした作品。

Tupperware(デザインエンジニア)

吉本英樹(デザインエンジニア)

1985年生まれ、和歌山県出身。博士(イノベーションデザイン工学)。東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業/同大学院修士課程を修了した後、2010年に渡英、Royal College of Art, Innovation Design Engineeringコースにて博士課程を修了。同時にロンドンにてTangent Design and Invention Ltdを創業し、ディレクターとしてすべてのクリエーションを指揮する。「Design and Invention Brand」を名乗り、電子工学、機械工学、プログラミング等の技術を自由に駆使しながら、ブランドとして新しいデザイン家具や空間演出商品を開発・製造・販売している。Lexus Design Award(2013)、Reddot Design Concept Best of the Best Award(2012)、日本人工知能学会全国大会優秀賞(2010)、情報処理推進機構スーパークリエーター認定(2010)など、デザインと工学の両分野において受賞多数。

http://www.tangent.uk.com