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2015 / experimental creations & rinkak

3Dプリンタで出力した際にできる積層痕は、制作の工程を想起させる。本作品は水平に積み上げるのではなく、とある一点から外側に向かって同心球状に積み重ねた際にできると考えられる仮想の積層痕をサーフェスに施したもので、点の位置によってサーフェスのパターンは無限に変化する。形状はろくろで制作した陶器をイメージしており、回転する粘土に掌や指を押し当てた際にできるろくろ目と積層痕に類似性を見出している。また、陶器における釉薬の役目はラバーが担い、水の浸透を防ぐのと同時に異なる色彩を加え、液体が創り出す意外性のある動きは一点ずつ異なる趣を生み出している。

村越淳(プロダクトデザイナー)

村越淳(プロダクトデザイナー)

1978年生まれ、埼玉県出身。千葉大学工学部工業意匠学科ならびに同大学院修了、Royal College of Art(英国王立芸術大学院)MAデザインプロダクト科修了後、takram design engineeringやi.lab(アイラボ)との新製品・新規事業開発、教育研究活動に従事。千葉大学大学院工学研究科特任研究員、同大学国際教育センター特任助教を経て、2014年より東京大学知の構造化センター特任研究員(i.schoolプログラム・マネージャー)兼i.labプロダクトデザイナー。
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