那須Tepee

2013 / 個人住宅

施主は林の木々を極力切らずに、緑に包まれた家を望んだ。林の下は枝葉に隠れて薄暗いため、直射日光を得るために高窓のついた天井の高い空間とした。しかしそれでは容積が増大し、空調のランニングコストが過大となる。そこで木々の枝葉を避けつつ、内壁を斜めに倒すことで、天井高最大8mの空間でありながら、立方体と比べて三分の一の容積の三角錐の空間が生まれた。冬期には頂部の暖気を床下から吹き出す換気システムを設けて、快適な空気環境を実現した。この空間は、縄文人やネイティブアメリカンの住まいに見られる、原初的な空間に似ている。家族が自然と背の低い壁際に座ることで、互いに向かい合い、見つめあって暮らす家である。

那須Tepee(建築家)

中村拓志(建築家)

1974年東京生まれ。神奈川県鎌倉市、石川県金沢市で少年時代を過ごす。1999年明治大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。同年隈研吾建築都市設計事務所入所。2002年にNAP建築設計事務所を設立し、現在に至る。建築設計をコミュニケーションデザインと考え、人が自然や建築と関わり、愛着を感じることをモットーに設計している。