House C -地層の家-

2008 / 個人住宅

房総半島の海辺に建つ週末住宅である。普段都心の高層マンションに住む施主は、週末だけは大地と接した暮らしを望んだ。そこで屋根は外断熱を施した上に保護材兼仕上げ材として現場の土で覆い、流出防止のために野草の種をまいた。コンクリートの壁は塩害防止のため、現地の土にセメントや樹脂を混ぜて厚塗。左官の工程上の時間差や掻き落とした痕跡、土の中の内容物が表出し、大地から地層が隆起したような外観となった。住人は週末になるとここを訪れて、庭で土をいじり畑を耕し、壁や屋根を見つめ、触れる。家づくりのふるまいと、庭づくりのふるまいが重なり、暮らすほどに心と体が大地に馴染んでいく家である。

House C -地層の家-(建築家)

中村拓志(建築家)

1974年東京生まれ。神奈川県鎌倉市、石川県金沢市で少年時代を過ごす。1999年明治大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。同年隈研吾建築都市設計事務所入所。2002年にNAP建築設計事務所を設立し、現在に至る。建築設計をコミュニケーションデザインと考え、人が自然や建築と関わり、愛着を感じることをモットーに設計している。