天保元年(1830年)に京都で創業した仏壇・仏具メーカーの若林佛具製作所から、オリジナル仏壇ブランドの第2弾として発表された「COYUI SERIES(コユイシリーズ)」。
現代のライフスタイルに合わせた本シリーズのデザインを手がけたのは、プロダクトデザイナーの秋山かおりさんです。そっと日常の中に寄り添うような形を模索したという本シリーズのコンセプトや特徴を紹介します。
■背景・コンセプト
数多くの職人と共に、寺院の仏具から内装工事・家庭用仏壇の製作を行なっている若林佛具製作所。「現代のライフスタイルに合う仏壇を提供したい」という想いから、2018年に第1弾のオリジナルブランド「KAKEHASHI SERIES(カケハシシリーズ)」を発表しました。
2021年末に発表された、第2弾の「COYUI SERIES」のコンセプトは、結ばれた縁に想いを巡らせる仏壇シリーズ。昔ながらのお仏壇をイメージした時に「少し近寄りづらい場所」という印象を持つ方に向け、生活に寄り添うほんの少し特別な場所を提供したいという想いから生まれました。
■特徴
現代の多様なライフスタイルやインテリアに合わせてコーディネートできるよう、バリエーション豊かな色や素材がある本シリーズ。製品のバリエーションは、「仏壇 KASANE」「仏壇 MEGURI」「仏壇 ORINASU」「位牌 HANA」「三具足 MUSUBI」「骨壷 YUWAI」「下台 KOYOMI」「スツール HITOHI」と、8種類あります。
「位牌 HANA」は、3種類の形に分かれており、素材も大理石、アクリル、木、と細かいバリエーションがあります。写真はアクリルのもの。
「三具足 MUSUBI」は大理石とアルミの2種類の素材バリエーションに分かれています。写真はアルミのもの。
「仏壇 KASANE」に手を合わせているイメージ。仏壇を設置している台が「下台 KOYOMI」、座っているのが「スツール HITOHI」。
■プロダクトデザイナー秋山かおりさんのコメント
COYUIのデザインワークは、コロナ禍による影響もあり、ふとした日常の中においても命について思いを巡らせる日々の中で行いました。
家族のあり方や関係性が変化するなかで、江戸時代に生まれた家庭用仏壇も、時代と共に像が変わってきた背景があり、「いま私たちが求める、故人と向き合う場とはどういったものか?」「尊厳を大切にしながら、温かくそっと寄り添える空間を」などを軸に考え、従来の素材や色にとらわれない新たな仏壇・仏具が完成しました。
一人ひとり結ばれた縁を大切に思う場として、COYUIをご覧いただけたら嬉しく思います。