敷地はアルプス山脈に囲まれた長野県飯田市。建主の実家では一戸建て賃貸住宅17棟を所有していたが老朽化が激しく、築44年の8棟を改修し、数棟は解体したいと依頼があった。

配置計画は17棟全体でスタディ、プライバシーや光と風、解体によって生まれるオープンスペースと各棟の関わり方を考慮し、3棟を解体することとした。残った4棟の改修は南北方向に大きな土間（LDK）を設け、外部との関わり方を積極的なものにしている。そして1棟はスケルトンに解体し、壁をポリカーボネートで囲い、住民たちが広場とも一体で使える半屋外のシェアキッチンとした。

本計画から、地方都市における持続可能なコミュニティのあり方と戸建て住宅を群として考える可能性が見えてきたと感じる。

写真：吉田誠