360°

2013 / 納谷新 自邸

設計者の自邸である。ただ単に居場所をつくった結果、いくつもの名前も付かないような場ができて、内だったり外だったり、狭かったり広かったり、クローズだったりオープンだったり、公園のようにヒエラルキーなく繋がって、レベル差も6種類になった。それは半地下だったり、低い天井の下だったり、深い軒の下だったり、屋根の上だったりする。

和でも洋でもなく、新しくも古くもない、どっちつかずで、なるべく編集しない、動物がただ巣をつくるような、目指すかたちをもたずに設計した。それが純粋で当たり前のことだと思ったし、本当のことだと思った。

最低限の欲とデザインで、偏ることなくなんの方向性も持たない建物「360°」にしたかった。

写真:吉田誠(2枚目のみPhotographers space)

/360°(建築設計事務所)

/360°(建築設計事務所)

2022年発足。納谷新と島田明生子による、建築、家具、プロダクトなど分野を問わず、全方向にわたりデザインを展開する事務所。おもな作品に「OF HOTEL」(2022年)、「co-en」(2022年)、「LABO&CAFE YAMAMOTO」(2023年)など。

https://360degrees.jp/

2023/11/8 10:45