三井不動産の新規事業を軸に人々が集まるコミュニケーションオフィス。デスクワークを主とする通常のオフィス空間とは大きく異なるオフィスのあり方を求められました。人が本当にリラックスして過ごせるオフィスづくりをするため、住居での空間のあり方をヒントに、リビングやダイニングのようなインキュベーションスペースを設けています。未来を感じる空間づくりとして、日常生活に寄り添うテクノロジーのあり方を新しさの表現の切り口としました。

オフィス中央に流れる高解像度・高出力の映像は、空間を彩る光を放つ存在となります。映像と実物の境界を曖昧にすることで、本当の意味での未来観を象徴する表現を目指しました。陰影が柔らかな左官の曲壁面に囲われた会議室は、オープンスペースとは対照的に静かな空間を目指しました。シンボルカラーのグラデーションを用いたガラスを通し、ほのかに色のついた光が室内に流れます。

光・造形・素材、そして人々の過ごし方を改めて構築することで、新しい未来観を示しつつも、随所に心地よい居場所を持つオフィス空間となりました。

写真：見学友宙