MIWA

2012 / Rightning Paris SAS

パリにて「折形」を用いたラッピングを行う店舗。折形とは、のしに代表される吉凶や内容物によって変化するコンテクストを持った包み方です。贈進物に託された「こころ」を表すプロトコルとして室町時代から発展し、起源は伊勢神宮の斎宮までさかのぼるといわれています。

そんな日本独自の文化を海外に伝えるべく、最も折形と親和性の高い素材として、伊勢神宮神宮備林のある岐阜県東濃地方産のヒノキをパリへ運び、内部仕上げ材として前面に使用しました。床材は宮城県石巻市雄勝地方産スレートを使用し、東日本大震災東北復興への思いも込めています。

佐野文彦(建築家/美術家)

佐野文彦(建築家/美術家)

1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店に数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所を経て、2011年に独立。現場の経験から得た工法や素材、寸法感覚を活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ、作品を製作している。2016年には世界16か国を歴訪し、各地でおもてなしの場としての茶室を作るプロジェクトを敢行。さまざまな地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、アートワークなど、国内外で領域横断的な活動を続けている。

EDIDA 2014 ELLE DECO Young Japanese Design Talent、IF DESIGN AWARD 2020受賞、2016年度文化庁文化交流使、Dezeen Awards shortlists、FRAME AWARD nominate、IDEA-TOPs nominateなど。

http://fumihikosano.jp/

2020/6/17 14:00