磐座-SENSE ISLAND

2019 / 横須賀市

無人島・猿島で行われた、暗闇を感じる夜間限定のアートプロジェクト。

猿島は700年ほど前に春日神社が造営されてからご神体として祟められてきましたが、明治初期に軍事要塞とされ、本殿が失われてしまいました。横須賀基地や戦艦三笠が見え、横須賀の現在から過去を一望することができる島の頂上に、古式神道で神が宿るとされる岩石群「磐座」を島の素材によって人工的につくることで象徴的な場をつくることを作品としました。

「磐座」は猿島の土や砂と蓄光素材を合わせたものでできており、日中に紫外線をため込み、夜に光が見える仕組みです。ぼわっとした柔らかな発光によって生命感や神の宿りを感じさせます。

佐野文彦(建築家/美術家)

佐野文彦(建築家/美術家)

1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店に数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所を経て、2011年に独立。現場の経験から得た工法や素材、寸法感覚を活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ、作品を製作している。2016年には世界16か国を歴訪し、各地でおもてなしの場としての茶室を作るプロジェクトを敢行。さまざまな地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、アートワークなど、国内外で領域横断的な活動を続けている。

EDIDA 2014 ELLE DECO Young Japanese Design Talent、IF DESIGN AWARD 2020受賞、2016年度文化庁文化交流使、Dezeen Awards shortlists、FRAME AWARD nominate、IDEA-TOPs nominateなど。

http://fumihikosano.jp/

2020/6/17 14:00