第253回 佐野文彦 (建築家/美術家)

[桐山登士樹の推薦文]

建築家・美術家の佐野文彦さんの手がけた空間へ足を踏み込んだ瞬間、これまでと違う時間の流れ、空気の流れに遭遇する。1秒が10秒に拡張されたような包容力のある空間、自分がここにいる意味や関係をじんわりと感じることができる。なぜこんな感覚を感じるのだろうか?それは建築やデザインのアプローチが他者とは異なるからだろうと思う。

プロフィールには「現場の経験から得た工法や素材、寸法感覚を活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ、作品を製作している。」と記されている。2017年2月に、アムステルダムのロイドホテルの半地下で茶室をつくっていた佐野さんとお会いしてから随分時間が経過した。そろそろ佐野さん独自の魔法を体感したくなった。その後、数多く誕生した作品(スペース)に足を運んでみたい。

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

佐野文彦(建築家/美術家)

佐野文彦(建築家/美術家)

1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店に数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所を経て、2011年に独立。現場の経験から得た工法や素材、寸法感覚を活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ、作品を製作している。2016年には世界16か国を歴訪し、各地でおもてなしの場としての茶室を作るプロジェクトを敢行。さまざまな地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、アートワークなど、国内外で領域横断的な活動を続けている。

EDIDA 2014 ELLE DECO Young Japanese Design Talent、IF DESIGN AWARD 2020受賞、2016年度文化庁文化交流使、Dezeen Awards shortlists、FRAME AWARD nominate、IDEA-TOPs nominateなど。

http://fumihikosano.jp/